Q:糸フケとはなんですか?A:落とし込み釣りでよく使われる「糸フケ」をつくるというのは、アタリを出す・またはアタリをとるためのテクニックです。 テクニックといってもそんなに難しいものではありません。が、重要です。
糸フケとは、餌を落としていくとき、糸を水面にたらしますが、じっとしていると糸は大体真っ直ぐになっています。 餌の落ちる速さより若干速く竿先を降ろすと、糸が少しカーブを描きます。そのカーブが「糸フケ」です。
糸フケを維持しながら落とし込んでいくことが落とし込み釣りの基本です。
なぜ、この糸フケが重要かと言うと、
まず、1番は集中できるということです。 神経を集中している状態でないと糸フケはできないから、つまり、丁寧に、真剣に落とし込んでいるかいないかが決まるということです。 糸フケをつくって落とし込んでいるときは、ヘチ(岸壁)にキープできているかとか、餌はどのように落ちているかなど、いろいろと状況もチェックし、考えながら釣っているはずです。 適当に落とし込んでいるときとは釣果は変わるのは当然でしょう。
2番目は、意図的に自然に餌を落としていけることです。 意図的に自然にというのは矛盾しているようですが、若干の糸フケは、糸を完全に水面に浮かべたときのように餌を潮や風波にまかせて開放していません。 風や波の動きに常に対応しながらヘチをキープするという行為だから餌の落ち方もある程度意図的にコントロールされているということです。 また、糸が一直線になって竿の動きや手の動きがいちいち餌に伝わるよう不自然でもありません。だから、糸フケの分だけ自然におちるのです。
ときたま、糸を波風にまかせてぼけーっと餌を垂らしているときにアタリがあったりしますよね。
魚は糸を通して人の気配や息遣いあるいはキッチリと糸を張って落としているときの竿のブレや潮や風による糸切れの音などを糸電話のように魚が感じているからではないかと思います。 だから道糸は張って落とさずにたるませ気味の糸フケをつくりながら落とす方が喰いがいい。
さらに餌が着底すると私は一旦糸をフケさせます。これも上記の糸切れの音等を消すためです。その2〜3秒後に喰っているかどうか確かめるためにキクか水深が浅いなら糸の微妙な動きで喰っているかを確認します。 次が大事です。 喰っていないときは、また糸をフケさせる。このフケによって餌の着底を見てすぐそばまで寄ってきていたが警戒して喰わなかったチヌが、糸がフケた瞬間に糸切れの音や、糸が這うために糸の存在が消え喰ってくる。そういうことは多々あります。 糸フケにはそのようなチヌの警戒心を解く効果もあると思ってます。
つまり糸フケには、落とし込んでいるときの糸フケ。そして、着底後の糸フケの2通りの使い方があると思います。
ハリスが細ければさらに餌は自由になり自然な落ち方となります。
例外で、ときたま、中層で最後に糸が張った瞬間に引きアタリがあるときがありますが、これはオッ!餌だと追って行っていたチヌが最後に餌が止まったのでその瞬間に、やった!と思って喰ったということでしょう。
3番目は、落ち方をいろいろ変えることができることです。 糸フケをつくって落としていきながら、少し竿を送るスピードを緩め止める。また、竿を送って糸フケをつくって落とすという、いわゆる「キザミ」という誘いを細かくかけることもできます。
4番目は、アタリを素早くキャッチできることです。 きれいな糸フケは、糸が止まるアタリ、横に揺れるアタリ、喰い上げて糸がさらにフケるアタリ。糸が伸びるアタリなどがよく分かります。 その分アワセへの対応ものがさずにできるよさがあります。
糸フケをうまくつくって落としていると不思議と他の人よりアタリがあります。 これは上述したようなことが原因だろうと思います。 |