Q:ハリスは細い方がいいのでしょうか?A:結論から言いますと、細い方がいいと思います。 ハリスが細ければ喰いがよくなるというのは様々な釣りのジャンルで細ハリスが用いられていることから間違いないようですし、メーカーがわざわざ道糸と透明なハリスを区別して製造するはずがありませんね。 1.75号や2.5号など微妙なサイズのハリスまでわざわざ造るといことはハリスの太さに魚の喰いが関係しているということでしょうから。
しかしながら、落とし込みでどこまで細くすればいいのか僕は分からないというのが本音です。 チヌが喰わないときにハリスを例えば3号から1号に落としたからといって喰いが明らかによくなったと思ったことは1度もありませんし。 ですから50cmオーバー、できれば60cmオーバーが釣りたい僕はそれが獲りたいのでストラクチャーのある危険な場所では3号や4号を使うことが多いです。
それでは、ハリスとチヌの喰いの関係について日頃思っていることなどを述べてみます。 以下は、ただの仮説で何千回も実験をした結論ではないことを前置きしておきます。別な考えがあれば掲示板ででも考え交換しても面白いですね。
魚は目が非常に悪く特にチヌは色盲であると言われています。これは研究で実証されたことだと思います。 しかし、よく波止をそーっと覗いてチヌを発見したことはありませんか?殆ど逃げますよね。また、餌を見て無視したり食いつきそうなところでやめたりアタックしたりします。このようなことは嗅覚などでの行動ではなく悪いはずの視覚で認識しているからでしょう。
チヌではありませんが波止に群れて泳いでいるコノシロの子の大群の中に糸を垂らしてみると見事に糸を直前でよけ、群れの流れが糸の両側に分かれて糸を過ぎるとまた合流します。 これは糸が見えているか何かのソナーを出してかで糸を避けているのでしょう。
ハリスに光が結構反射するのはある実験で明らかになっています。太陽光が入る程度の深さの波止ではハリスに光が反射しハリスが太ければ太いほど光の反射は多くなり目が悪いチヌでも警戒するだろう思います。 メーカーが水の屈折率にできるだけ近いハリスを開発しようとしているのはこのようなことがあるからでしょう。
どっぷりと濁ったときにチヌがよく喰うのは人影が見えなくなると同時にたぶん目の前に来た餌だけを見てハリスまでしっかりと見えなくなるためだろうと思います。魚は目は悪いものの、対象の動きには反応するそうですし。
また、糸は潮や風の抵抗を生じます。潮や風による振動は糸が太いほど大きくなると思われます。もし側線か聴覚でその振動をチヌがとらえれば警戒をするのではないかと思います。
それから、細いハリスは餌の自然な落下を太いハリスのときより容易にします。 太いハリスは潮の抵抗を受けるので波止際に落ちている餌を波止から離してしまったり、狙うポイントに流し込むことができづらくなったり、餌の自然な落下の動きを制限して動きが硬い感じで餌が落ちたりします。
ハリスがよれてフニャフニャな状態では喰いが悪いとよく言われています。 よれた状態だとハリスから不自然に乱反射が生じているからではないかと思います。 真っ直ぐだと直線の光となります。直線の光は水中に差し込む太陽の光も直線だろうし自然の中にはあるかもしれないけれど、曲がった乱反射はあまりないのでやはり警戒するのではないか。ハリスが太ければなおさらでしょう。 またよれた糸により水流が微妙に不自然な変化をしているのを感じているからではないかとも思います。 ![]()
ハリスの太さの話から少しずれますが。潮流が速いときは道糸やハリスが曲がって餌より先に流れて行くことがよくあります。その時は竿を潮上に引きハリスを張ってできるだけ直線にし、餌先行で落としていくほうが喰いがいいということをよく聞きませんか? グレやスズキなら視点が上にあります。 だから下から上を見てまず餌がありその上にハリスがあります。できるだけ下にいるグレに餌だけが点として見えるようにハリスをときどき張りながら釣るという理屈は理解できます。
しかし、チヌは視点が下にあります。 つまり目より下にある餌を見るということです。チヌが餌を見て追うときは下向きに追います。 上から追うので、チヌはどの位置から餌に近づいても必ずハリスが見えるはずです。
なら、どうしてチヌの場合も餌先行にした方がいいのか? 考えたのですが潮が速くハリスや糸が餌より前に流れた場合、じゃまになって、また、糸が曲がっているので変に光っている。コリャおかしいゾ。喰うのやめとこう。ということではないか。
ハリスの太さの話から少しずれてきてしまいましたが、ハリスは個人的な上記のような理由で細い方がいいように思います。
でも僕は無理して細くはしません。 自分が自信のないハリスの太さでへっぴり腰になってやりとりするのはごめんです。ストラクチャーやチヌの尾びれにちょっとさわっただけで切れるハリスの太さではイヤです。 ハリスを落とす前に餌の刺し方・落としかたや、ガン玉・鈎がそれでいいかを考えます。それでもどうしようもないとき、試しにハリスを下げてみますが殆ど好転はしませんし。何十匹も群れて浮いているチヌに餌だけを投げても全く動じないことも何回も経験しています。 チヌは喰う気があるときはまず餌だけに集中してアタックするものと思っています。アタると信じてやれば太ハリスでも結構アタります。
でも、細ハリス派から言わせてみると細い方が絶対いいというでしょう…ネ。 |