| 師走の一人旅12月25日午前1時過ぎ。 プレゼントをどっさりと乗せたソリでサンタが飛び回っている頃、釣り道具をいっぱいに積んでひたすら大分へと走る車一台。   肩の怪我も治ってはおらず、耳・目に加齢による異常が出て手術一歩手前の病院通いが続いている中、思い切って遠征釣りを決行したのだった。 釣れる釣れないより、気の赴くままに竿を振り、風を肌に受けきらめく海と狡猾なチヌと対峙したい。 体が不自由になるほど釣りができる幸せを感じるこの頃なのだ。     早朝、まずはヘチ竿で護岸。 流れはこの上なくいいが潮はスケスケ。アタリの予感はない。 やはりダメかなと思っていたとき糸がチョンチョンと震えた。 そっとキクと意外!喰っている。   肘を脇に付けグッと力を入れて掛けるとシューッと前へ走り出す黒い姿。 おそらく50cm超え。後から40cmぐらいのが追って走る。 グイと竿をためる。手に伝わる強い力。おぉ久しぶりのチヌの引き。 左右に走っては剛竿で止められたソイツは手前のオーバーハングに一直線。ここも余裕で竿でギューッとタメている と・き・に、パッ。 なんじゃぁ、鈎ハズレ。まだハズレ癖は直っていないのか。 
   
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 ホントに久しぶりのチヌ 51cm |    気を取り直してしばらく。 糸がピンと弾いたような不自然な気がしてキクと喰っている。 先ほどとほぼ同様な引き。今度は浮かしてゲット。51cm。久しぶりのチヌだなぁ。    しかし、後が続かず見切りをつけて移動。 あちこちの護岸や波止を見て回り、たまにちょいと竿を出す。 北西の強風となったが潮は澄んでいてどこも反応無し。     昼食後に行った護岸。 2投目に喰った。強烈に引いたが手こずらずに取り込めた、54cm。 
   
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 54cm 傾いた日差しを受けてパチリ |      久しぶりの落とし込みで2枚の年無しが出ればいいでしょう。 しばらく車で寝たあと早めにやめて温泉センターでゆっくりじっくり風呂に2度入りをして横になり疲れをとる。 リラックスしてTVを見ていると、忘れていたが世間はクリスマスだった。我、もう関せず。         
 次の朝、潮が上がるのを待って少し遅めのスタート。まずは昨日と同じ場所から。 全く反応無し。     護岸巡りは風、潮の高低、上げ下げでコース選びを上手くしないと釣果にひびく。 たとえば潮の高いときしか釣果が出ないポイントに低いときから行って荒らすと全くダメな結果となってしまうのだな。 前日の調査を元に長竿の場所へ向かう。     手前5m以上先まで沈みがずらりと頭を出し、すんだ潮を通してその先の水面下に散らばった沈みがぼんやりと見える。釣り人にとっては最悪の場所。 たまに風が海面を波立たせるが、果たしてこの澄んだ状態で喰うのか。 沖にそっと餌を振り込み引き寄せてその沈みの間のスポットに落とし込む。     数投後、着底してキキ上げると魚の感触。ゴツンとアワせる。 が、どうしよう。 左右、手前に少しでも走られると瞬殺で切られる。前に走らせて沖で弱らせるのが最良だが。   一か八かで糸を緩めてみる。沖に走れ。 しかし、チヌっていうやつは突然にテンションを抜かれると何があったの?みたいに動かなくなるんだな。 しょうがない。強引に巻き上げる。急に右に左にと暴れ出す。竿をなお力まかせに上げながら左右の動きを竿の傾きで制す。   30年前の竿は耐えた。ぼろぼろのありったけの力がどうにか勝った。 ガバッと浮いて暴れる。また潜る。ここで少しでも緩めたら一気に沈みに行かれてパチチンコ。 目を血走らせて竿を力一杯で起こしたまま耐える。ようやくおとなしくなった。 後は、浮かせたまま沈みの間を手前に通してきてタモ入れと。51cm。   いやはやこの程度のサイズでこのパワーゲーム。60cmなんか掛かったら無理ヤロなぁ。 
   
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 ちんちん倶楽部皆さま寄贈の50cmタモ枠よく太った54cm
 |    アタリはポツポツ続き。 同じように目を血走らせてのー全力で竿を上げてのーで潮が下がってアタリがなくなる3時間ほどで5回掛けて1枚切られ、最大54cm止まり4枚。   さすがに体力なくなり粘りのVIVIANも早めの納竿。   目標のサイズは手にできなかったがまたチャレンジする気持ちを保てる訳だと車を福岡に向けた。         
   
    
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 26日釣果 50UP3枚 ピークエンドで納竿 |  |