落とし込み釣行記2009/1月

 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態  餌 釣果 サイズ
1月25日(日) 山口 28 満08:59
干14:55
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ミヤちゃん壮行会

釣りに行ってないが、行ったことにしたい。

 

ミヤちゃんが静岡に行く。

彼は日本中を渡り歩くダム関連の技師ということで、ここ数年は久留米の田主丸に住み、博多で釣りを始めて落とし込み釣りを習い博多沖防の仲間になった。

高速を使っても1時間以上はかかると思われる道のりを毎週のように沖防まで通ってきていた。釣れても釣れなくても仕事柄か無口で黙々と釣る姿が印象的だった。

そんな彼が遠くに行ってしまうということで、沖防仲間でお別れの壮行会が土曜日に計画されていた。

 

僕も是非参加したいと思っていた矢先の土曜日。朝から急に発熱。痛みと吐き気で口を湿らせるのがやっとの10数年ぶりの風邪に寝込んでしまい、結局、月曜まで熱が引かずに3日間床の中を余儀なくされた。

日曜、昼頃からようやく立ち上がれて、外を見ると真っ白な風景が広がり、なお雪は激しく降っている。みんな行けたのかなと思いながらまた床の中。

 

夜、セイジくんから電話。

「風邪、どうですか?」

「まだ、寝とるバイ。」

「そりゃーインフルエンザですよ。」

「行けたとね?」

「行きました。大変やったです。」

 

土曜日夜から雪で高速は通行止め。中止にしようかと思ってたけど、釣りサイトを通じて知り合った島根からのお2人はすでに山口に入っている。強行することにし、雪に強い車1台、同行予定者の中からと 富山や島根に居たことがあるこれまた雪に強いドライバーに人数を絞り、ミヤちゃん・ヤマさん・クニナカさんとセイジくん4人で下道を行ったとのこと。

夜11時に出発して、到着したのが午前6時と実に7時間をかけて。

 

落とし込み釣りで結ばれた積雪1mという島根からの釣り師2人の思いと福岡の釣り師の思い。なんとしても実現させたかった儀式のため、万難排してその思いは繋がったのだった。

 

僕もそこにいたかった。だから気持ちだけでも行ったことにしたかったという訳。

 

「壮行式はできたね?」

「アー、できましたよ。みんなから出してもらった分でリール買って花束と一緒に贈答式しましたよ。」

「よかったネー。」

「写真送ったから見て下さい。」

「あいよ。釣れたね?」

セイジくん落とし込み釣果

セイジくんの2枚。彼の気と技は切れる。

 

「島根のヨネさんが釣って、あと、面白い場所見つけましたよ。デコボコした穴ポコで穴に餌を置くと、ちょっとしてスーッと糸が動くんです。そこでバシッとアワせて僕が50弱と40ぐらい。ヤマさんとクニナカさんも40ぐらい釣りました。ミヤちゃんは残念ながら鈎ハズレでした。ミヤちゃんももう少しこちらにおるということやからまた一緒に行きましょう。」

「そりゃー行きたいね!」

 

出会いと別れは一連。出会いあれば別れあり。その間の長い短いよりどれだけ中味が濃かったか、どんな意味があったかだ。

 

 

島根と福岡は長い道のりを超えて、その日山口で再会した。

釣りをした。

ミヤちゃんにプレゼントをし、また戻って行った。

覚有情。

花束贈呈

みんなの気持ち贈呈式

仲間

出会いは永遠

 



 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態  餌 釣果 サイズ
1月12日(月) 長崎 16 満09:23
干15:17
- 吹雪 北強 カニ

吹雪のチヌ始め

初チヌ落とし込み釣りはどうしようかと思案していたら、ルフィちゃんからメール。

 

=12日休みです。どこか行きませんか=

 

彼は某場所ですでに初チヌ↓を釣ってるらしい。

ルフィ初チヌ

で、OKを出していたところ、10・11・12日の3連休は今冬最大の寒気が訪れた。最悪。

天気予報をチェックしながらもいっそ中止にしようと思ったが、ルフィちゃんは、

「一人でも行きます!」

って言うので、

「ンじゃ、道路規制が少ない長崎にしようか。」

って、討ち死にを覚悟する。

今だからおっくうになっているけど、昔はどんなときでも無謀に行っていたモンだ。若い彼の気持ちも分かる。

 

夜中に目が覚めると、ゴーッ!台風のような風の音。外はビュービューと吹雪が舞っている。これでも行くかねぇと思いながらも車を出して二人して長崎へ。

今日のタックルは深場も考えて糸の出のいい青波巧3.0mにいつもの舞匠メタル。4号糸に3号ハリス、鈎はダゴチン専用4号。ガン玉2B。

 

カニを付けてまず、上層から探る。アタリはない。離れたところで釣っているルフィちゃんも同じようだ。

吹雪はさらに容赦なく、頭からすっぽりと防寒具に身を固めていても手はかじかみ感触がない。寒風に逆らいながら釣るので体はガチガチにこわばり、目はジンジン痛く、動作もロボットのようにぎこちなくなる。

 

上層を見限り、竿1本半の底に餌を落としてみる。

2投後、底まで落とし糸を張ると穂先がクーッと曲がった。 思わずアワセてしまったが掛かった。しかし、スーッを走ってすぐにパッ。アリャー!はずれた。せっかくの初チヌが。大小に関わらず、最初の1枚が釣れるか釣れないかは気持ちの暖かさが違うし、以降の行動展開が大きく変わってくるんだよね。

 

 

その場所はそれっきりで、少し歩いて別な護岸へ行く。ここは14〜5mと深い。

モチベーション低く、まず、上層から。5投ほどすると、糸が止まった。

キクと、オー!ウッソぉ喰ってる。全く期待してなかった土塊からお宝が出てきた。バシッとアワセる。糸鳴りをさせて走り出した。ヤッタ。と思ったとたん。

パン!!何が起こったか、一瞬分からなかったが、竿を見ると糸が竿半分のところで切れている。

エ〜。海面を見ると切れた糸がフワフワ。

 

チヌもいきなり負荷がなくなったので僕と同じく目をパチクリしているのか、糸は漂っている。

思わず僕はその糸にくっつけようとでもするように穂先を近づけてくるくる回す。

人間ってあまりに想定外の事態が起こると馬鹿なことをしてしまうもんだなぁ。

 

深淵の谷に転がり落ちかかっているお宝を取り戻そうとして、つかんだ宝と一緒に落ちていく山師の気持ちもこんなものなんだろう。

お宝は開放されたのに気がついたのか、糸は無情に谷の底にスーッと勢いを増して消えていった。

 

唖然。傷が付いてたんだきっと。きれいにすっぱりと切れていた。

寒さに翻弄され点検を怠って馬鹿なことをした。悪いことをした。再度はもうなかった。

 

ルフィちゃんも全くアタらないとあきらめ顔。彼はこの猛吹雪の中、帽子もかぶってない。坊主頭なのに。

「帽子すかんとです。」

手袋もはめてない。

「微妙なアタリが分からんと思って。」

若い体の芯からほとばしり出る脂っこい精気は、きっとこんな極寒も跳ね返すんだろうな。

 

 

一旦、場所替えをして、ダメなので、またもとの場所でやって帰ろうと、あきらめムードで戻って竿を出していると、すぐに50m程向こうのルフィちゃんから電話。見ると両手を大きく挙げている。ヤッタか!?

 

「バラしましたぁ!相当でかかったですぅ。」

要約すると、

「底でコンときた。キクと付いてなかったので、また、ゆっくりと竿を下げると、とたんにギューッと来たので、力一杯アワセた。竿の根本まで曲がってグングン走るので、ハリス2号、切れるかもと思って糸を出して、また、グーッと竿を戻すとスポンです。鈎ハズレでした。あー、3号掛けとけばよかったぁ。強引にできたのに。」

「深場のカニ底はアタリがうまく取れないので、よく鈎ハズレするんよね。仕方ないねぇ。」

と慰める。

寒ーい長崎風景

いい天気のように見えるけど極寒の長崎でした

 

僕はしばらくしてあきらめて車で寝ていたけど、彼はよほどくやしかったのだろう。ねちっこく粘って消耗して戻ってきた。

お互い後悔先に立たず。

帰りの車内で、反省。

「釣れて、浮いてきたチヌによく別なチヌが追ってきて周りをうろうろしてることあるやろ。あれって、たぶん、一緒にいたチヌが急に動きが変わったチヌを見て、『エッ?何?なんかあると?餌?』なんて思ってあわてて付いて来てるんじゃないかな。そこでバラすと一緒にいたチヌ達もバラしたチヌに着いて行ってしまうんじゃないかと思うンよね。だけん、バラすともう釣れん。よっぽど群れ狂ってる場合以外はそうなんやないかな。釣ったチヌやメイタをリリースしても同じやない?ストリンガーに掛けとくか、放流するなら支障がない場所にリリースした方がいいと思うね。」

あくまでも想像ですがね。チヌの気持ちは分からない。

そんなこと考えるより仕掛けのチェックしときさないってね?

初チヌ釣りからまた修行始めだ。