釣りズレ日記2004年11月/チヌ落とし込みシルバーステージ21



手も目も

 <04.11.23>

 午前中は仕事のようなもので、釣りに行けなかったので、カニを採りに行った。
 足もずいぶん曲がるようになって、カニを採れるようになったのが嬉しい。 サンバ用にできるだけ沢山採りたいと思って、石をはぐる。
 もう、寒くなって、カニは大きな石の下にかたまっているので、はぐるのがたいへん。
 やっとはぐって、10匹ぐらいいたら嬉しいんだけど、いざ、採ろうとすると、寒くなって動きは若干鈍くなったものの、まだトコトコと逃げて、他の石の下に逃げ込もうとする。
 それを、逃さず採ろうとするのだが、捕まえたかと思ったら、するりとカニは指の間をすり抜ける。
 こりゃ、目と手が一致してないぞと思い、1匹のカニだけにターゲットを絞ってつかもうとするが、やはり、指は土を掴まされる。
 どうやら目も手もリハビリが必要のようだ。
 これって僕だけ?
 それとも、だんだん年をとってくるとそうなるのかな。


バリウマ

  <04.11.21>
 博多近辺では、食べ物がすごく美味しいという表現を「バリ(すごく)ウマ(美味い)」って言う。

 昨日、サンバ釣りに行くのに、僕一人だけで波止渡し予約していたのだが、その船長、船に乗る前に、
「魚いらんね」
と、船着き場のすぐそばの氷を入れた冷蔵庫のような箱の蓋を開けた。 
 中に、小ダイや40cmちょっとのヤズ(ブリの子)、クロ(メジナ)、バリ(アイゴ)が合わせて10数匹入っていた。
「ほーっ。」
と僕は言ったものの、持ってきた小さいクーラーには弁当などが入っているし、サンバが沢山釣れたらねー。
「帰りがけにやろうかね」
と言われて、ホッとしながら、
「最初から釣れたようなもんやね。」
と、冗談を言いながら波止に上げてもらった。

 波止では、餌盗りに餌をやって一日過ごした。

 船着き場まで帰ってきたら、船長、また、箱を開けた。
 きれいにはらわたが抜いてあって、バリの毒ヒレまできれいに切ってくれている。
 ボーズだったのに、とっても満足した気持ちになって、船長に丁寧にお礼を言って家まで帰ったのだが、さて、タイ・クロは塩焼き、ヤズは刺身でいいとして、バリはどうしよう?

 以前、磯釣りをしていたときは、バリが釣れても大体、
「ケッ!バリか。」
と、ポイと雑にそのまま放流していたし、一度持って帰って料理をしても、あまり美味かった記憶がないので、バリ6枚、実はもらったものの困った。
 
 ふと、その船長を紹介してくれた別の船長の奥さんが、フライが美味しいと言っていたのを想い出したので、3枚におろして、皮を引き、適当に切って、あとはカアちゃんに試しにフライにしてもらったら、、これが、ウマいこと! 
 さらに、身をとったあとのアラは煮付けにしたら、これがまたくせがなくて歯ごたえがありウマい。
「バリウマってこれのことバイ。」

 バリを見直した日でした。


テトラで3kgとは

  <04.11.19>  
 FCCのひろみさんが、すごいことやったげな。
 テトラの落とし込みで、54cm、3kgのイシダイを釣ったそうな。
 チヌでも難しいのにつっこみの激しいイシダイとは。
 よく獲ったなぁ。
 落とし込みの、手軽でいろんな魚に挑戦する楽しさと可能性が、またまた証明されて、この釣りやっててよかったと思う。

 

やくざな性分

 <04.11.10>

 サンバを釣って、次の日から、机の上はサンバの仕掛け作りの工房のようになっていた。鈎の大きさを素早く変えたい。やはりスクリューサルカンがいいみたい。でも、市販のイシダイ用はデカイよな。
 
 …細いステン棒を買ってきて、見よう見まねで極少スクリューサルカンをつくってみた、案外使えそう。
 何個か作ったら、無性に試し釣りに行きたくなった。
 
 さらに、ふと、岸壁からチヌを狙って超前をしている自分が頭の中に浮かんできた。

 家族とブラブラした休日もよかったけど、また、毎週のごとく釣りが続く生活に戻りそうだ …。  


バラシの美学

 <04.11.7>

 釣りも失敗から進化していくものだと思う。
  
 バラしたことや、人が釣れるのに自分が釣れなかったことなど、悔しい・納得いかないことが工夫を生み出す。
 どんなことをしても、バンバン釣れるようだったら、釣りは、こんなに魅力的なものじゃなく、すぐに飽きてしまっただろう。
 
 ハリスが切れた。鈎が折れた。道糸をぶち切られた。竿が折れた 鈎ハズレした etc…。
 特に大物をバラしたときのショックは倍増。
 釣り人は、そのたびに、帰りの車の中で、家で、寝床で、何度もそのシーンをリプレイして、熱くなる。むむ〜っ。あ〜。う〜っ。
 釣友と何度もその話題をくり返す。
 残念!惜しかったなぁ! あぁ、あれが釣れていたらナア。たぶん70cmはあったよね、って。

 なぜだったのだろう、何が悪かったのだろう。
 そして、解決方法の仮説を立てる。
 
 小道具であれば、自分で作ってみる。補充する。タックルであれば、買い直してみる。実験する。やり方であれば、釣り場で試してみる。

 成功したら、嬉しくって、ますます工夫は細かくなる。
 失敗したら、さらなる改善が釣り人をせき立てる。
 このくり返しが、釣りをさらに楽しくさせるのだと思う。
 
 次の釣行日が待ち遠しい。
 それは、バラシのおかげ。 バラシ、バンザイ!  

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