チヌ落とし込み釣行記 2004/2月

 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態   釣果 サイズ
2月21日
(土)
I波止
10:16
16:06
14
〜15


弱〜強
カニ
48.5

シマシマ食いたい


「シマシマ食いたいんでしょ〜。うひひ〜。」
 掲示板に「食いたい。」って書いてたら、こんな電話が。
 熊さん自分が食いたいくせに。
 もち、僕もサンバソウの刺身を久しぶりに味わってみたい。あの強烈な引きも。

 二人で、渡船に乗って I波止に渡る。
 最初は波止の真反対の角で、互いに別れて釣る。
 大潮なんだが、もう、満潮前からか、潮はほとんど動いていない。
 30分ほどして、見切りをつけ、本命ポイントの熊さんの方に行く。
「全然だめ。」
って言うと、
「4号道糸のサルカン上から切られましたよぉ。」
「え〜!」
 何でも、姿が見えたところで、再び締め込み、プッツンしたんだって。
「あ〜ん、2kgは越えてたのに。道糸・ハリス4号ですよ。なんでかなぁ。今頃、ストリンガーにぶらさがってたのに〜。」
 気持ち分かるなぁ。じゃんねんでしたね〜。

 気合いが入った。
 せっせと根気よく落とすが、下げに入っても潮は切れず、餌取りの活性も今一。
 この落とし込みサンバ釣りは、カニをベラやカワハギの餌取りにかじらせて、サンバを寄せるのだが、適度な数の餌取りが頑張ってくれないと、ダメなんである。
 カニが少しかじられるだけの繰り返しで、午後になってしまった。こりゃもうダメかな。

 「とりあえず、試し!」
 熊さん、塩づけ岩虫をつけて、ポーンと沖に放り込んだ。
 (さっきしたもんね。どうせ、ベラのえじきよ。)
 遠くに投げた仕掛けは、餌取りがときどき引っぱりながら、少し動き出した潮に押されて、だんだんと、ヘチで落としていた僕の仕掛けの近くに寄ってきた。ベラが引っぱってるね。
「熊さん。ベラの泳がせ釣りしてるんですかぁ?」
「わはは! いや! これがサンバに変身するンですよぉ。ベラのかじりにサンバが興味を示す!」
 
 熊さん、そう言って、ちょっとしてから、何かを掛けた。
「オッ!」
 しかし、竿の曲がりは弱い。
「あー、でかいベラ〜。」
 ガックリしてリールを巻いてる。

 水面に浮いてきたベラを見ると、え〜!? シマシマじゃんか。
「あー! サンバやん!」
やったっ!わはは。 ホラ、へんしんしたでしょ〜。」 
「むむ〜。」
 型は足の裏サイズだけど、今日の本命だから、熊さん破顔満面。僕の顔の前にシマシマを持ってきて、
「ほーら、ほーらぁヒヒひ〜。
「くっそー…。 僕も岩虫やろーっと。」

 塩づけ岩虫に替えたが、僕にベラを変身させる念力はなく。いっこうに状況は変わらず。
 熊さんの念力も、1回きりだったようで、とうとう3時を回った。
 約6時間ばかり、僕には1回も本命のアタリなし。風は明日の春2番が吹く前ぶれか、だんだん強くなり、竿を持つ腕が痛くなってきた。

「地方でチヌ釣りしませんか。」
 熊さんにそうもちかけて、船を呼んだ。

 地方の岸壁で落とす。1投目、フグ。2投目、何もなし。3投目、3mほどで止まった。
「え? もう、底かな。」

 シマシマならず。でも、ま、終わり良しってことに。
 仕掛けを張ると、コ・コン・コン。(フグか〜? とりあえず合わせて見よう。)
 キュッとアワセを入れると、グーッと走り出した。
「おー! チヌ!」
 グイッとためると、今度は手前に突っ込んできた。オーバーハング岸壁すれすれのところで止めて、浮かし、
ゲーット!
 案外、大きい。あとでじっくり測ると、48.5cm。1.95kgの身の分厚いチヌでした。ハリス3号はザラザラ。ラッキー。
 熊さんも来て釣るが、それ1枚だったようで、帰りの時間になった。
 チヌは、ストリンガーにかけても、浮き袋がふくらんだままで、プカプカ浮いているので、しょうがなく久しぶりに持って帰ることにしたが、梅酢蒸しにすると、身が硬く締まっておいしかった。
 ちなみに、胃袋の中は、カラスガイがいっぱいだった。ここの落とし込み、年中、カラスでもOKってことやね。


 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態   釣果 サイズ
2月14日
(土)
長崎
24  7:50
13:45
13 南西強
春一番
カニ
49.3,  49
45,  40.5

春一番

 
 例年より、ずいぶん早く吹いた。
 1859年(安政6)2月13日、五島列島沖に出漁した長崎県壱岐郷ノ浦の漁師53人が強い突風にあって遭難してから、郷ノ浦の漁師の間で春の初めの強い南風を、春一または春一番と呼ぶようになったのが始まりとか。
 
 以前、大分に磯釣りに行って、滅多に上礁できない1級磯に上がることができて、喜んでいたら、春一番が吹いて、しかも、これが小雪混じり。ひどい目にあったことがある。
 
  だから、春一番が吹くかもしれないとの前日からの天気予報に加え、仕事でもかなりグロッキーになっていたので、なかなか釣りに行く気持ちにならず、床に入った。
 もし、朝早く起きることができたら、どこかに行こうかと思って、2時半にかけていた目覚ましには、体は反応せず。
 しかし、、毎日の定刻の起きる時間になると、なぜかすっきりと目覚めた。
 仕事がある日なら、この時間は、目覚めが悪いどころか、ふらふらと床を出たとしても、これから起こるであろう出来事が、頭の中をフラッシュカードのようにちらつき、気分が悪くて、憂鬱で、ひどいときは吐き気までしてしまうのだけど、不思議なものだ。
 仕事がないと分かっていると、何とも心が軽く、気分良く、パッと起きられるのである。 人はいかに精神面で生きているかが分かるなあ。

 やはり、外は風が強い。予報風力は最大10m/s。こんな日に、竿を出すとひどい目に遭うかもしれない。
 しばらくパンを焼いたり、新聞を読んだり、音楽を聴いたりとダラダラしていたが、頭は釣りの方に…。
 気温も17度まで上げると言うし、水温も上がっているに違いない。どこかに風裏あるかも。かえって竿が振れないぐらい海が荒れたときのほうが、チヌは食いがいいときもあるじゃんか。なんて…。
 やっぱり、尻が軽いンやね。そそくさと支度をして、尻に帆かけて車を発進させた。

 遅く出た割には、目的地まで、案外早く着いた。
 岸壁真正面から当たる南西の風は半端じゃない。しかし、予想通り、潮は波立ち、白く泡立っている。
  仕掛けは舞い上がり、糸をリールからさびきだしたら、ヒューッと風に翻弄されて近くの草にからみつく。釣りづらいったらありゃしない。遠くへ飛ばせないので、仕方なく、できるだけ前に振り込んでも、結局、風に押し戻されて、竿下ぐらいに餌が落ち着く。
 「やれ、やっぱり。これじゃ釣りにならんじぇ。」
 
 ところが、そのもみくちゃになった水深1mあまりのざわめきの中に、本当にチヌはいた。
 1投目からくわえている。波と風で閉口しながらも、何とかゲット。49cm。うっそ〜!
 3投目、45cm。 次、少し移動して49.3cm、2kg。
 

春一番の贈りものでしょうか?
30分ばかりの間に3枚ですぜ〜、旦那。
 やってみるモンですバイ (^_^)v
 その後、アタリは、ぱったりなくなった。
 その上、穂先が折れてしまった。別にヘマした訳ではなくて、何度も穂先が折れては修繕していたものだから、調子が悪くなっていたのだろう。カニをつけて糸をぴんと張ったとたん、ピチッといって折れちゃった。これ以上修繕のしようがない。もう、作っていない愛竿の落とし込み竿NFT新堤MF5.3m。大事に10数年間使っていたが、とうとうおシャカだ。

 ヘチ竿2.1mを出して40.5cm。
 しかし、さらに風は強くなり、これでおしまい。
 竿を出してから1時間あまりで、また福岡に折り返した。


 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態   釣果 サイズ
2月8日
(日)
長崎
17 10:07
16:04
11 西弱
カニ

立ち込み釣り


 潮は、もう股のところまで来ている。
 時折、船が通ると、へそのところまで来て当たった波が、ジャップンときて、跳ねて、バシャッと顔にかかる。ヤバッ!
 それでも、遠くのかけあがりをめがけて、カニを放り込む。

 「オチさん、ウエーダー2つ持ってますよ。立ち込み釣りしませんか。」
 前日、熊さんから電話が入った。
 「なんっすか? それ。」
 そう返事しながら、すでに、ぴんと来ていた。
(やっぱり、考えることは一緒なんやね〜。)
と可笑しくなった。
 そう。あの浅場で、超前でも届かないかけあがりを狙ったら、きっとでかいのがいるはず。
 昔、10数年前、大分の某河口で、うちの会の一握りのメンバーでちょっとブームになっていた立ち込みの落とし込み釣り。あれをやろうっての?
 実は、すでに僕もやろうと考えていたんです。ウエーダーまで考えてなかったけど、似たようなこと。
 ウエーダー? 
「持ってますよ。」

 早朝、2月ですよ、全く。 好きな二人は、そそくさとウエーダーをはいて、岸壁から水の中へ。潮はもう上がってきているから、チャンスは1時間もない。
 ってことで冒頭の「ジャップン」になるんである。
 
 結構、沖の方は潮が動いていて、チヌはいつ来てもおかしくない雰囲気だったんだが、この日の上げ潮は大きく、だんだんと岸の方へ二人とも追いやられて、ついに上陸となったけど、50才にもうすぐ手が届くオッさん二人は、名残惜しそうに海を見ている。
 「ちょっと、日が悪かったね。」
 
 岸上から釣っていると、あとから来た金太さん兄弟。現場を目撃していたようで、近くに寄ってきたら、挨拶がわりに、ニタ〜ッと笑った。
 なんも言わんでもヨカ。言いたいこと顔に書いてあるバイ。
(すきですね〜)でしょ。
 全然懲りてないよ。また、やろうと思ってる。アブノーマルなこと大好きですよ。だって釣りは、非日常的なところが面白いんだから。あんたらも、きっとウエーダー買うよ、もうすぐ。ひひ。


今年、絶好調のFCCひろみさん
 この日も47cm グェ〜ット!
  熊さんに、別の釣り場に行っている切れ波止が好きな落とし込み釣りチームの弟ひろみさんから電話で、45オーバーゲットに兄弟二人でばらしアリの報。
 時間もまだ早いので、
 「ちょっと覗いて帰ろうか。」
 と、そちらへ向かう。
 
 ここも浅場でむっちゃスケスケ。
 「朝1時間だけでしたね。」
 と兄やん。
 1時間あまり竿を振ったが、アタリなしで、この日は、陽が明るいうちに帰宅できました。  


 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態   釣果 サイズ
2月1日
(日)
長崎
10  6:02
11:12
11 曇時々
小雨
南東弱
カニ
1 47.3

2月に超前


 先週は大雪で、家に閉じこめられて、せっかくの3連休を家でおとなしく過ごしていた。
 とは言っても、じっとしておれない性分で、ビデオを借りに行ったり、雪で汚れた車を寒さに震えながら洗ったり(バカやねー)、カニのお宿を掃除したり。
 代休の月曜日は天気がよかったので、よっぽど釣りに行こうかと思っていたけど、行かなくてよかった。切れ波止が好きな某落とし込み釣りチームの兄弟は、行ったんだって〜。
  そんでもって、途中で雪に囲まれて、引き返したんだって〜(^o^)あぶない、あぶない。
 
 ってことで、1週空けての日曜日に一人で釣行。ホントは誰も一緒にいかなくてさしみいし、連日の睡眠不足で頭ガンガンだったんだけど。やはり竿を出して、いろんな鬱憤を糸から垂らして海に流し、気分転換をはかりたい気持ち、誰も分からんよね。別に分かってもらわんでもいいけど…。
 
 釣り場は、べた凪スケスケ。潮は、もう、下げに入ってる。
 (やっぱり、来ない方がよかったかなぁ。)
 反省しても遅い。
 
 切れ波止が好きな某兄弟のHさんが、あとから来たので、一緒に釣る。
 アタリもなくてそこら辺を、うろうろしても、水は冷たい感じで、今日はボーズかなと、Hさんと二人で溜め息ばかりついていた。
 これが一人だと、空しさはますます重く圧しかかってくるのだが、アホな話をしながら二人で竿を振っていると、(釣れなくても今日は楽しく帰れそう)なんて思う。
 
 護岸近くには獲物はいないようで、39/45mズームの落とし込み竿で前の方を狙っていたが、なかなか思った場所まで餌が飛んでくれない。
 それで、ヘチ竿2.1mをチョイス。 これは糸通りがいい。
 狙うポイントは特に大きなストラクチャーはないので、多少、仕掛けを引きずっても、引っかかりはしない。
 足元に20mぐらいリールから糸をさびき出して、シューッと思い切り飛ばす。
 さびき出した糸がきれいになくなるから、20mぐらい飛んだんだろう。
 これで思ったように、遠くの潮がゆれているポイントを狙うことができるようになった。
 
 何度か打ち返していると、着底してふけた糸がすぐにちょっと伸びた。
 フグかチヌか。フグも結構多いモンね、ここ。
 糸を張りながら、相手を確かめて、ウン! 重い。
 
 グイと合わせると、とたんに暴れ出した。
「なんか来た!」
 隣のHさんに告げる。チヌとは思うけど、最近、意に添わず変なのが釣れたりするのでね。ヘダイとかハトポッポとか、カンダイとか。疑い深くなってるんです、年取ると。

運良く1枚
 
 魚はHさんの釣ってるところまで行きそうなので、 グーッと引っぱりながら歩いて移動して、足下で姿が見えた。やっぱりチヌ。グェーット!
 50UPとはいかないが、まあまあサイズ。よかったー。来てくれた。

  アタリはそれ1枚で、当日は若潮で干満の差も少なく、潮があまり動かない。次の日の仕事に疲れを残すとつらいし、僕は早々に引き上げたけど、Hさんは、しばらく粘って、上げ潮8分ぐらいで2枚ゲットしたんだって。
 潮が良くなるまで粘るモンやね。
 Hさん、初チヌおめでとう!

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