チヌ落とし込み釣行記 2004/1月

 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態   釣果 サイズ
1月18日
(日)
長崎
26  5:50
11:30
11
時々雨
南東弱
カニ
46.5
44

初チヌ


 枯れた雑草に降りた白い霜をギュッと踏んで、うっすらと明けた早朝の護岸を歩く。
 霜が降りてるってことは、夜中も風が吹かなかったのだろう。
 海面は、ざわめきもなく、覗くと底までくっきりと澄みきっている。
 先ほど測った水温は11℃。
 (だいじょうぶかな。昨日は熊さん釣ったって言ってたけど。2月の水温バイ。)

 昨日、熊さんは前打ちで47,ヘチで45を上げている。
 いろいろ聞いて、(よし、一人で来られるところは、やっぱりここしかない。)と思って来たのだが、ちょっとこの状況は不安だ。

 とりあえず、ヘチ竿と落とし込み用長竿と準備。どちらでもやれるようにして、状況と場所に合わせて使い分けよう。

 まず、長竿で、沈みやかけあがりを、歩きながらポンポンと探っていくが、沖までだらだらと浅いこの場所は、遠くの底まで見えていて、とても出そうにない。

 おまけに、最後に期待していた、つきあたりのポイントには、すでに老人が投げ込みをして座っている。
 「ダミだ こりゃ。」
 
 ヘチ竿に持ち替えて、昨日、熊さんが1枚上げたという場所に行ってみる。
 
 ガン玉2号、小さめのカニをつけて一投目、アタリなし。
 2投目、チョッと前の船の下に振り込んでみる。
 一ヒロぐらい餌が落ちたところで止まった。
 (引っかかりかな)
 すこうし糸を貼ると、フワフワする。もう喰ってる!
 チョンと合わせて掛ける。相手はまだ気が付かないようで、じっとしている。
 糸を少し巻くと、やっと気が付いたようで、キュィっと走る。竿の弾力を感じて今度は逆の方へキュィっと逃げる。どうやら35〜6ぐらいのヤツが掛かったみたいやね。
 竿でじっとためながら少しずつ巻くと、疲れて姿を現した。え! まあまあの型じゃないか。強烈に合わせなかったのがよかったようで、あまり抵抗せずにゆっくり浮かんだ。
 46〜7cm。初チヌゲットだけど。なんか、暴れてくれないとヤッタ〜って気がしないんだよね。
 

銀色はいいね やっぱり
ストリンガーに掛けて、今度はヘチを落とすと、一ヒロの仕掛けが伸びたところでクイ・クイと穂先を押さえた。フグかな〜。キクとさっきと同じように、雑巾のような感触がフワフワ。また、チョンと掛けて、そいつも同じようにキュイ・キュイと走るが、竿をじっと固定したまま引きにまかせていると、りっぱな雑巾が浮いてきた。44cm。あっけないというか。釣れるときってこんなモンかな。

 アタリはそれっきりになって、フグばっかりがつつくので、また、長竿で超前を狙った。
 一度掛けて、同寸を浮かしたが、鈎ハズレ。
 雨が降ってきたので、しばらく車の中で横になってうつらうつらしている内に、なんだか、やる気が失せて、今日の運勢は最悪のはずだったんだけど、落とし込み初釣りで2枚釣れれば、もう、いんじゃない〜? って納竿。


 釣行日 場  所  潮 月齢  干満 水温 天気 状態   釣果 サイズ
1月10日
(土)
長崎
ヨコ島
18 11:21
16:53
15 曇晴
薄濁 カニ
サンバ 笑2

初大笑い


 正月明けても、なかなか気持ちが乗らずじっとしていた。
 熊さんに連絡すると、
 暮れに僕がサンバ釣ったところにRISUさんと行こうという。
 熊さんは、僕が
「あそこのポイントは、年中サンバ釣れますよ。」
 といったもんだから、仕舞い込んでいたサンバ熱がボコボコと沸騰したらしい。
 サンバねー。チヌを釣りたいんだが、RISU・KUMA・VIVIAN、3○○トリオで行くのは、釣れなくても初釣りにはぴったしかも。
 
 ゆっくりと起きて、船で目的地に向かう。
 RISUさんはチヌも釣りたいので、隣の波止へ、僕と熊さんはサンバ波止へ。
 熊さんにポイントを教えて、僕は熊さんと別に波止の反対の端で釣ることにする。
 
 しばらく波止角を探っているうち、餌取りベラが少なくて潮が回り込む小さな瀬を見つけた。
 「ここがいいかな?」
 集中的に餌を送り込んでいると、グッと穂先を押さえた。そのままじっとする。ベラだったら、キューッと持っていってぱっと離すはず。しかし、これは本命のようで、グッ・グッ・グーッと重々しく穂先を押さえていった。
 ヨッシャァ! ガツンとアワセを入れる。掛かった!
 合わせた穂先が返らない。そのままグーッと竿を絞り込んでいく。竿を起こそうとしても、底が切れず、グン・グンと下にさらに 持っていって。
 ブツ! ゲーッ。 切られた。
 3号ハリスの下の方はザラザラ。くそー。根ずれかな。強引に巻いて底切ればよかったかな〜。でかかったのに。落とし込み初バラシやんか。

 ガッカリしてハリスを交換していると、熊さんから電話。
「ありがとうございますー。オチさんのおかげです〜。」
「え? 釣れた?」
「43cmぐらい。ひっひー。」
「エ〜。僕も今バラしたばっかりなんよー。でも、おめでとー^。」
「どーもー^^」
 さすが、サンバの天敵、熊さんだあ。

 こちらもがんばろー。
 しばらくして、さっきバラしたポイントで小さめを掛けたが、もう少しで浮くというところで、今度は痛恨の鈎ハズレ。

 それからは全くアタリなしで、熊さんのいるところに行ってやってもダメ。なんか体がきつくなって、集中力がなくなったので、とりあえず荷物のところに戻って一休みして、そのそばのバラシポイントに座り込んで釣るが、一向にあたらない。
 落とし込み初釣りはボーズかなぁ。

 電話が鳴る。波止替わりでこちらに来て、熊さんと一緒に釣っていたRISUさんからだ。
「上がり4時にのばそー。今、ちっちゃいけどアタリよるんよ。こっち来る〜?」
「4時ね。了解。」
 釣れたのかな。それでも、あそこは3人は狭いような気がして、行く気にならない。
 
 でも、釣れないので、しばらくして、二人のところに行ってみる。
 ストリンガーを見て、がく然! きれいなシマシマが4枚もぶら下がっている。熊さんの43cmの他に30cmぐらいのが3枚。
「なん、これ! 3枚追加? 誰が釣ったと〜?」
 RISUさん、
「ヘヘっ、おれも1枚釣ったよ〜。」
 ということは熊さん2枚追加。ガーン! いつの間に。

 まずい、非常にまずい。僕だけボーズってことは、写真係になるやん。初釣りで。
 二人の間にズイズイと割り込む。
 しかし、釣れない。

 RISUさん、掛けて取り込んだ。まあまあの型。
 「32cmぐらいあるよ〜。やった。 ひっひ。」
 まずい!  二人は僕を見ては、へへ〜と笑っている。くそー。
 
 もう時間もあまりない。
 じーっと釣りながら、へんな想像がよぎる。
 今年は大殺界だし。もしかしたら、最後の土壇場で掛けて、鈎ハズレとかするんじゃなかろうね。 きっと、二人から、めいっぱい爆笑食らって。最悪やろね、そんなんって。
 釣れないときって、悪い想像してしまうんよね。

 ポーンと潮が動いている前の方に打った仕掛けが、底に着いた。キクとくわえて、グーッとひいた。オオーッ。来たぁ! よかったー。取るぞー。神様ありがとー!
 ググ−ッと竿を絞る。
「やった。やった。」
熊さん、
「おー、結構いい型。」
RISUさん、
「やったねぇ。」
 浮いてきた。縞の少し消えかかったまあまあサイズじゃん。おー、よかったぁ。
 RISUさんがタモで掬ってくれる。
 パッ。  え?
 ナ・なんと、タモが水面に届く寸前、鈎がはずれた。シマシマはスーッと海の中へ。
 「ーっ!
熊さん、RISUさん、
「あーっ。」 
一呼吸おいて… 「ギャハ・ハァ〜!

 「アーン、やっぱりぃ。」
 うそやろー。予感ってこんなに現実になっていいの〜。
 でも、自分でもおかしくて、3人でワーワー笑った、笑った。
 
 RISUさん、また30cmぐらいの追加で。
 それから、やっと来たと思ったら手のひらサイズ。放流しようかと思ったけど、
  「うーん … これキープ。」
 とにかくゼロから1にしたいのです。写真係はいやだかんね。
 
 しばらくして、あきらめかかっていたところ、前でくわえていたのを、今度はしつこいほど追い合わせて、とうとうゲット。30cmの小サンバだったが、何とか取り繕った。
 あー あぶない。あぶない。よかったー。最後によく釣れたね。
 
 潮が右に行ったり左に行ったりする場所だが、おそらく、熊さんが朝からずっと粘っていたから、餌取りでばらけたカニが撒き餌がわりになって、さらに、この潮で流れていかずにサンバが寄ってきたのじゃないかな。熊さんに感謝。
 一緒に笑える釣友がいて、今年も、落とし込み釣りスタートしました。


とりあえず全員釣ったということで 笑ってスタート

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